AKIHITO NORO PAINTING PRE-PHENOMENALISM

画家/アーティスト
東京都在住

Oil painting
Drawing
Etching

Portfolio book
Updated August 2026

Selected works

2024–2026

Oil on canvas
Drawing
Etching

Works and information reproduced from the artist's portfolio book.

あざみ野でのグループ展展示風景
展示作品の設置風景 作品と作家の展示風景
Installation view Azamino group exhibition Four artworks, oil on canvas, 2026
《Shikisokuzekuu》
01

Shikisokuzekuu

Oil on canvas

2273 × 1818 mm / 2026

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《What I Thought I Had Caught》
02

What I Thought I Had Caught

Oil on canvas

1940 × 1620 mm / 2026

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《まだ名前のない子》
《まだ名前のない子》の部分 《まだ名前のない子》の部分
03

まだ名前のない子

Oil on canvas

2273 × 1620 mm / 2026

《まだ名前のない子》の詳細を見る
《仲裁者》
04

仲裁者

Oil on canvas

2273 × 1818 mm / 2026

《仲裁者》の詳細を見る
《Brains +》
05

Brains +

Oil on canvas

1940 × 1620 mm / 2026

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《99% Pure》
06

99% Pure

Oil on canvas

1625 × 1303 mm / 2025

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《小さい夜》
07

小さい夜

油彩、オイルパステル、エアブラシ

652 × 530 mm / 2026

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《Under construction》
08

Under construction

Oil on canvas

1625 × 1303 mm / 2025

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《笛をふきながら新宿の朝方をうろつく少女》
09

笛をふきながら新宿の朝方をうろつく少女

Oil on canvas

1620 × 970 mm / 2026

《笛をふきながら新宿の朝方をうろつく少女》の詳細を見る
《Red Dream》
10

Red Dream

Oil on canvas

910 × 727 mm / 2025

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《Conflict》
11

Conflict

Oil on canvas

1303 × 894 mm / 2025

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《無題》
12

無題

岩絵具、墨、雲肌麻紙

727 × 606 mm / 2024

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《あおい人形》
13

あおい人形

岩絵具、墨、雲肌麻紙

727 × 606 mm / 2024

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《太陽とスヌーズ》
14

太陽とスヌーズ

油絵具、キャンバス、パステル

910 × 910 mm / 2024

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《見えない。》
15

見えない。

銅版画

2025

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《よるのさんぽ。》
16

よるのさんぽ。

銅版画

2025

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《潜む。》
17

潜む。

銅版画

2025

《潜む。》の詳細を見る
《無題。》
18

無題。

銅版画

2025

《無題。》の詳細を見る

Statement

Pre-Phenomenalism
前現象主義

Artist statement
August 2026

私は、像が「何か」として認識される直前と、いったん形を結んだ像が再びほどけ始める瞬間とのあいだを描いている。

制作を始めるとき、特定のモチーフや完成図をあらかじめ定めない。色と線を置き、消し、覆い、重ねながら、画面に現れる形に身体的に応答していく。油絵具の層には、描く行為だけでなく、ためらい、中断、隠蔽、再発見に費やされた時間が残る。私にとって絵画は、すでに存在する像を再現するものではない。それは、像が立ち現れ、変化し、消えていく過程そのものを保持する場である。

一枚の画面には、人物や風景、動物、身体の断片のように見える形と、なお名づけを拒む形が共存する。観者はそれらのあいだを移動し、何かを見つけ、それを同定し、一時的に「見えた」と確信する。しかし、成立したように見えた像は、周囲の色や線によって再び不安定になり、別の像へずれたり、まだ何ものでもない状態へ戻ったりする。

私が扱うのは、描かれた対象そのものよりも、対象が知覚のなかで成立する運動である。私たちは外界をそのまま受け取るのではなく、形や色の断片を記憶、言語、過去の経験と結びつけることで「何か」を見ている。認識、名づけ、確信を生み出しながら同時に崩すことで、絵画は「見ること」が受動的な受容ではなく、像を絶えず生成する能動的な営みであることを明らかにする。この関心は、対象が意識のなかでどのように現象として成立するかを問う現象学にも接続している。

私はこの実践を、暫定的に「Pre-Phenomenalism(前現象主義)」と呼んでいる。それは、すでに現象として安定した対象を描くことではなく、像が成立する以前の気配と、意味を失った直後に残る残滓を扱うための言葉である。出現と消失は別々の出来事ではない。生まれつつある像の内部にはすでに消滅の可能性が含まれ、ほどけた像の記憶や残像は、次の像が現れる条件となる。

この循環を考えるうえで、仏教の「色即是空・空即是色」も一つの参照となっている。これは宗教的な主題を描くという意味ではない。あらゆる形は固定した実体ではなく、関係と変化のなかで現れ、ほどけ、別の形へ移り続けるという思考の支えである。

私の絵画が提示するのは、完成した像ではなく、像が出来事として起こる場所である。像は現れ、名づけられ、ほとんど同時にほどけ、別の何かになり始める。そのとき作品は、ただ鑑賞される対象にとどまらず、観者自身の知覚が動き始める場となる。